トラウマ
俺の人生で一度だけ人に相談をしたことがある。
学生時代に行ったコンパに、かわいい子がいた。何とか落としたくて、友達Hに軽く相談した。相談内容を語る前に、少しその友達Hのことを説明しよう。そのHは公衆トイレより汚いトイレがある家に住んでいる。そして当時、Hにはウソ彼女が三人ほどいた。Hについて語ると一万行書いても足りないので、この辺でやめるとする。
そもそも、そんなヤツに相談したのが、俺の間違いなのだが。
ある夜二人でファミレスに行き、俺はコンパに行った話をHにした。
切りだしとして、…というか次の一言だけを俺は言った。
『コンパに言ったら、超かわいい子がいた。どうしたら落とせる?』
Hはメロンソーダをブクブクするのを止め、タバコに火を付けて、こう答えた。
『いいか?女はギャップに弱い。そして女とヤる為には三つのハードルがある。』
俺はバカなHがマジメに語りだしたので、少し背スジを伸ばした。そしてHは続けた。
『一つ目!親がいないこと!』
俺は不潔なHが透けて見えそうなくらい呆然とした。
それは付き合ったあとの話だろう?コイツは何を言ってるのだ?俺が正気になる前にHは続けた。
『二つ目は兄ちゃんがいない!そして三つ目は……う~ん 、これはまだオマエには早いわ…』
ところで、これは六年前の話である。そしてHはまだ生きている。
今思うのは、当時の俺はよくHを殺さなかったなと。
それ以来、俺は人に相談することを止めた。
ちなみに、ホクロから毛が生えているHは、当時はもちろん今も童貞である。
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